実際の葬儀を担当している中原屋 原敏之が綴る、お葬式情報ブログ。
火葬場と葬儀
2012年11月28日 10:26
近年、ご葬儀のやり方や慣習が地域で変化してきた要因の一つとして、“火葬場”の影響が大きいと思われます。
ここ川崎でも、火葬場が川崎区夜光町に、“かわさき南部斎苑”という名称で運営を始め、火葬場と併設する式場が6つも出来ました。 そのころから、ご自宅での施行、自治会館等での施行が減ってきたように思えます。 その背景には、“家族主体の葬儀”を望む方が増えてきたことも、否めませんが…。
現在、“友引きの日”は火葬場はお休みですが、もし、友引きの日でも火葬場が休みでなかったら、おそらく、“友引きの日に葬儀はしない”という日本の慣習も、薄れていくのではないでしょうか。
では、365日24時間火葬場が運営していたら…。 現段階では、あり得ない話しかもしれませんが、もしものお話しです。 そうすると、通夜も葬儀も、さらに変化していくことでしょう。
開始時刻でいえば、通夜はさほど変わらなくても、葬儀・告別式の時間が変わるのではないでしょうか。
通夜に会葬者や親族が集い、あくる日の葬儀・告別式は、火葬場に行くことが主たることになっていくのでは、と思います。
例えば、通夜は18時~ 、“葬儀・告別式”が“火葬日時”という表記で、21時出棺。 または、他に知られたくないという方は、午前0時出棺。というようなお話でしょうか。
そうすると、葬祭業者側(生花部、贈答品部、車輛関係などに携わる方々)は、完全にいままでとは、違った業務形態になりますね。
実際に、訃報を通常通り流せば、会葬が1000人は来られるであろう方も、先日、家族の方10名のみで、お通夜もされず終えられました。 おそらく、その方の訃報を知ったら驚く方が大勢いるだろうな、という気持ちを持ったまま、お手伝いをさせて頂きました。
昨今は、そういう方々が増えてまいりました。 ご遺族の想い、故人のご遺志、いろいろなご家庭の事情があることでしょうし、もし火葬場が24時間運営していたら、深夜に絶対に人に知られずに葬儀を行いたい、という方も多いのだろうな。 と、ふと考えてしまいました。